資料記号

maregaA17

標題

フォンド・マレガ ファイル A17

年代
1697年~1940年
主年代
1697年、1834年~1847年
年代注記
元禄10年(1697)、天保5年(1834)~弘化4年(1847)
記述レベル

ファイル

数量
280レコード(内訳:状22〔元竪帳3程・折3・貼紙あり2を含む〕、竪帳151〔貼紙あり26〕、綴4、新聞5、封筒10、包紙69、厚紙6、カード1、紙片12)
物的状態注記
A17は、3つの文書群を一括して保存袋に収納したものであり、調査においてそれぞれに番号を与えた。A17.1は、英字新聞紙でくるまれた、厚みのある文書群(約30cm×22cm)である。これらは綿テープでくくられ、手書きカード(約7㎝×13㎝)1枚が添えられていた。新聞の下と中に保護用とみられる厚紙がおかれ、ほとんどの文書はピンク色の薄紙に挟まれていた。A17.2は、竪帳を厚紙と日本の新聞紙でくるんだ状態であった。A17.3は、多数の薄い竪帳や状を、厚紙と日本の新聞紙でくるみ、カードを一番上に添えた状態であった。ほとんどの文書に、マレガの自筆と思われるメモ入りの封筒や、薄紙が添えられていた。以上のことから、A17は全体的にかなり分類・整理の手が入った文書群という印象を受ける。
出所/作成
マリオ・マレガ。日本の古文書は臼杵藩宗門方を原出所とする。
履歴
フォンドと同様
地名
大分県臼杵市・大分市、東京都目黒区碑文谷
役職等
サレジオ会宣教師
伝来
1953年にマリオ・マレガよりバチカンへ寄贈
入手源
フォンドと同様
範囲と内容

マレガ関係資料と、マレガが収集した臼杵藩宗門方の文書群からなる。マレガ関係資料では、包装に使われた新聞紙が注目される。A17.1は、1940年11月17日付の英字新聞(大阪毎日)、A17.2は、昭和15年(1940)11月13日付の豊州新聞、A17.3は昭和15(1940)年11月13日付および昭和13年(1938)2月3日付の大分新聞で包装されていた。これらはマレガの購読紙であった可能性がある。また、1940年11月17日以降の近い日付で資料を包装する機会があったことがうかがえる。また数点にすぎないが、資料の分類に使用された包材の中に、マレガの交流関係や研究活動を知ることのできる封筒、講演演目のチラシ(「古事記と聖書」)が含まれている。なお添付カードには「Don Marega」との記載があり、これはマレガ以外の別人の手によるものと思われる。誰がどのタイミングで文書の分類整理に関わったのか、研究する余地がある。

臼杵藩宗門方を出所とする文書群では、A17.1のうちに天保5年(1834)および文政13年(1830)~弘化4年(1847)間の「宗門御改ニ付毎月仕上五人組御書物」と「生死出入之覚」である。後者は単体の状として入っているものと、前者の竪帳と一緒に綴じられているものがあった。これらは村方から臼杵藩宗門方へ提出されたとみられる。A17.2の文書群は、元禄10年(1697)の「家内人数之覚」である。状と竪帳の形式である程度まとまった点数があり、宗門改めの際に組、支配、家の各長(藩士)が提出したものとみられる。A17.3は大部分が寛政(表紙のみ)・文政・天保・弘化年間(およそ18世紀後期から19世紀前半まで)の「宗門御改ニ付毎月仕上御書物」である。またA17.1と同様、「生死出入之覚」が単体もしくは竪帳に張り込まれていた。このほか天保15年(1844)の「切支丹宗門踏絵御改ニ付家内帳」と表題の付された文書2点が収められている。各冒頭には、キリシタンと日本の神々にキリシタンではないことを誓ういわゆる南蛮誓詞の文言がみえるが、これは禁教初期に使用されたものであり、ここでの利用経緯が興味深い。

なお、文書のなかには、マレガが文書管理のために付与した番号(マレガ番号)を記したものがみられ、A17では、A17.1に①M501~566、A17.2では②M567~631、A17.3では③M248~266および④M348~384(欠番あり)の番号が記入されている。これらのマレガ番号は③を除き、A10.1.1のカードにもみられる。カード上には他に305~321、386~392、427~500の番号記載があり、このうち305~321はA5、427~500はA10の文書のなかに実際に確認できる。そしてこのカードには、「農民と兵士の動態調査」、「小包番号2番」と記されている。したがってカード作成段階ではA5・A10・A17などの一部はともに同じ小包に納められていたが、保存・管理のなかで分割されたものと考えられる。

以上の文書群の範囲と内容からは、マレガとバチカン図書館では、文書の分類・整理方法に方針の違いがあったことがうかがえる。バチカン図書館で誰がどの時期に、どのような方針で文書を分類・整理したか、注意を要する点といえる。

使用言語
日本語、伊語、英語(新聞)
記述日
2018/11/18
記述者
清水有子
参照用画像