資料記号

maregaA13

標題

フォンド・マレガ ファイル A13

年代
1688年~1942年
主年代
17世紀から19世紀末までのものがあるが、主な年代は18世紀初から19世紀前半。
年代注記
貞享5年(1688)~昭和17年(1942)
記述レベル

ファイル

数量
レコード件数635件638点(古文書513件513点(状499件499点、竪帳13件13点、小横帳1件1点)、書籍4件7点、御札・紙入5点、紙片6点、カード1点、ツツミ紙・新聞9点、封筒2点、包紙12点、紐35点(紐・紙縒・紙帯)、マレガメモ(カード)10点、マレガメモ(紙片)37点、マレガ論考1点)
物的状態注記
取り上げ段階で、バチカン図書館の殺菌用無酸素システムの特殊プラスチック製袋に入った状態であった。古文書などを新聞(豊州新報1938年2月3日・1940年7月13日版、大阪毎日・東京日日英語紙1938年2月12日版、大分新聞1940年7月14日版、朝日新聞1940年1月12日版、NOON EXTRA shanghai 1942年12月24日版など)・封筒などで区分けされたまとまりとともに、区分けされていない版本や古文書が保存用の綿テープで一括され、概要を記したカード4枚が挟まっていた。なお、マレガによるナンバリングは確認できなかった。2013年から2016年の概要調査で保存措置がなされ、現在は中性紙封筒に収められ、専用容器に収納されている。
出所/作成
マリオ・マレガ。古文書類の元出所は臼杵藩宗門方。
地名
大分県臼杵市・大分市、東京都目黒区碑文谷
役職等
サレジオ会宣教師、古文書類の元出所に関わる役職は臼杵藩宗門方(宗門奉行)
伝来
1953年にマリオ・マレガよりバチカン図書館が寄贈を受けた。
入手源
フォンドと同じ
範囲と内容

A13は、1~25のサブファイルからなる。このうちA13.1はファイル全体を括る紐にはさまっていたカードである。残りのA13.2~24のうち、A13の2・3・4・5・7・8・9のサブファイルでは、複数の状物が新聞で包まれていた。また、A13.10の御札類とA13.11の日記・断簡も新聞で包んでいた。上記以外のサブファイルの内容は、以下のとおりである。

A13.6マレガの論考、A13.12~13「天保」武鑑上・下、A13.14献立覚(寛政4年(1792)~)、A13.15 武鑑 中、A13.16~18 吉岡三内御奥覚書・御奥御用五ヶ年分惣御算用帳・巡見供奉人数書付の記録類、A13.19~22版本、A13.23~24行事や弓道などの記録(写本)、A13.25公私之留書(文政7年(1824))。

このように、A13は原出所を異にする多様な資料から構成されているが、ほとんどのサブファイルでマレガのメモや新聞の包材利用を確認できることから、A13のサブファイルの基本的な生成はマレガの手による可能性が高い。

新聞などで複数の状物がまとめられたA13の2・3・4・5・7・8・9サブファイルをみると、まずA13.2は宗門方関係の文書(A13.2.1.5)と、戸上家を出所とする元禄5年(1692)から明治13年(1880)に至る土地売買関係文書群からなる。戸上家は御部屋足軽、御持筒組、大組、そして天保期(1830~1843)には戸上幾平太が「宗門方御附人」を務めた。戸上家文書と宗門方との関係は明らかではないが、明治13年など後年の文書が含まれることから、後年混入した宗門方を出所としない文書群といえる。宗門方文書は、領内への出入り届けなどであり、瀬戸内海を通じての人の移動も明らかである。

次に、A13.3は享保8年(1723)の古文書で構成され、「出家願」や人の移動を把握するためのものであり、類族の死骸改証文である「御書物之事」2点が含まれる。A13.4は元禄14年(1701)の「御書物之事」のみのまとまりである。A13.5およびA13.7~8も「御書物之事」を主とするまとまりであるが、年代は複数にわたる。A13.9は宝永6年(1709)・同7年の「御書物之事」からなる。なお、貞享5年(1688)の「御書物之事」はA13.5.4に、文化10年(1813)のものはA13.5.5にまとまっている。ちなみに、A13に属する古文書のうち、319点がこうした「御書物之事」である。以上はいずれも宗門方を出所とするものである。

なお、A13.12~A13.13、A13.15の「武鑑」は、表紙欠などのため本来一具であったかは明確でないが、上・中・下と揃うことから、ここでは一具として把握した。また、A13.25の「公私之留書」は「Nikki Okahan」と記された封筒に入れられているが、内容をみると「祇園洲寄合所」の言葉もあり、臼杵藩の記録とみられる。ただし、出所は宗門方以外である。

そのほか明らかに原出所を異にする文書群がみられた。A13.11は大分市の古書店ハレルヤ書店からの購入文書である可能性が高い。A13.11.0.2は同店の値札があり、売価8円とみえている。

使用言語
日本語、伊語48件、英語(新聞)9件、ローマ字1件
記述日
2017/10/16
記述者
櫻井成昭
参照用画像