- 資料記号
maregaA10
- 標題
フォンド・マレガ ファイル A10
- 年代
1691年~1941年
- 主年代
江戸全期
- 年代注記
元禄4年(1691)~安政3年(1856)/~昭和16年(1941)
- 記述レベル
ファイル
- 数量
330点・493レコード(内訳 竪帳201点、状88点、綴4点、横帳1点、紙片1点、イタリア語カード2点、包紙82点、紐(麻紐2点、紙縒2点)
- 物的状態注記
A10は、新聞紙などで包んだ3つの文書群を、さらに紐でまとめた文書群である。サブファイル単位で麻紐により一括した文書を丸めた状態で、新聞紙で包んで保管されていたため、外側に位置していた文書に大きな破損が目立つ。過去の整理の段階で貼紙が剥がれて別々の文書として把握されているものもあるので、利用にあたっては注意を要する。
- 出所/作成
マリオ・マレガ。日本の古文書は臼杵藩宗門方を原出所とする。
- 履歴
フォンドと同様
- 地名
大分県臼杵市・大分市、東京都目黒区碑文谷
- 役職等
サレジオ会宣教師、臼杵藩宗門方
- 伝来
1953年にマリオ・マレガよりバチカンへ寄贈
- 入手源
フォンドと同様。
- 範囲と内容
ファイルA10は、麻紐と新聞紙等による小括ごとに大きく3つのサブファイルからなり、A10.1、A10.2、A10.3と番号を付した。各サブファイルは、新聞包・紐によって中・小のまとまりで収納されていた。
A10.1は、1938年の英字版新聞紙および昭和13年(1938)の新聞紙で包まれている。包みの上には、マレガによる整理番号の概要を記したイタリア語カード(A10.1.1)が付されている。また、A10.1の主となるA10.1.3のまとまりは、昭和16年(1941)の新聞紙で包まれ、さらに各文書は麻紐(A10.1.3.0)で綴じられ一括されている。
A10.2は、1938年英字版新聞紙で包まれ、包みの上にはA10.1と同じように整理番号の概要を記したイタリア語カード(A10.2.1)が添えられている。A10.2は、さらに3つのまとまり(A10.3.4~6)ごとに紙紐で綴じられている。
A10.3は、アイテムごとにピンクの色紙で仕切られている。
ファイルA10は、藩士や領民が、宗門改の実施、類族の死亡・出生・移動などについて臼杵藩宗門方へ報告した文書から構成されている。
A10.1は、藩士が組ごとに宗門方へ宗門改の実施報告をした文書である。藩士ごとに家族・下人などの人数を集計した文書である。ほとんどは元禄4年(1691)正月25日に作成されたものである。同年2月朔日に作成された文書もあるが、同じ宗門改において作成されたものと判断できる。
A10.2は、A10.1と同様に藩士の組ごとに宗門改の実施報告をした文書である。これらは享保14年(1729)正月23日に作成された。A10.1およびA10.2は、作成年代は異なるが、同じ宗門改における報告書であるため、書式も同じであることがわかる。
A10.3は、切支丹本人や類族について村や町における生死や移動などを、大庄屋や町年寄が宗門方へ報告した文書である。ほとんどが天保9年(1838)正月29日に作成されたものである。天保9年以外に、文政10年(1827)、文政12年(1829)、天保5年(1834)、天保11年(1840)、弘化4年(1847)、安政3年(1856)に作成された文書を含むが、表題と内容は天保9年の文書とほぼ同じである。
各まとまりは、年代・内容でまとまっており、臼杵藩宗門方を原出所とする資料群と考えられる。一方、嘉永7年(1854)6月晦日付で宗門方へ提出された「宗門御改ニ付毎月仕上五人組御書物」は、安政7年(1860)2月には手跡練習帳として再利用されていることがわかる (A10-3-1-3)。双方の作成者も全く異なることから、藩宗門方の管理からは除外されたものと判断でき、本文書群が臼杵藩時代の原秩序を残しているかは疑問である。年代、種別、作成者・宛所が明確に分別されることから、近代以降、マレガによって選別され、再構成された可能性が高い。
マレガは文書に番号を与えたが、A10.1ではM245~M247が付される。M247は、1~46(21、33は欠番)とⅪ~LⅦの枝番が用いられた。複数の文書が貼り継がれた文書では、貼り継がれた文書1点ごとにマレガ番号が付されているのではなく、1点に複数付されているものや、全く付されていない文書があるなど、ランダムに付されていることがみてとれる。A10.2は、M219~M229が付されている。M219は1~39およびⅠ~Ⅹ、M228は1~10およびⅠ~Ⅷ、M229は1~4の枝番化がなされている。一方、A10.3には、427~500が付されている。
マレガ番号からは、A10.1・A10.2とA10.3は元は別のまとまりとして、マレガに把握されていたと判断できる。また、文書類は、マレガ番号順に伝えられておらず番号付与後に、大きな変更があったこともうかがわせる。
他のファイルにも同じ表題や内容をもつ文書が含まれており、合わせて検討する必要がある。
- 使用言語
おおよそ日本語241件、伊語2件、英語4件
- 記述日
2016/12/03
- 参照用画像