在外日本古典籍所蔵機関ディレクトリ

　本ディレクトリは、日本国外において写本・板本などの古典籍や前近代の古文書、また古地図・浮世絵などの一枚摺り等、貴重な諸資料を所蔵する図書館・美術館の情報を集約したものである。内容は、各所蔵機関の住所、コンタクト・パーソン、コレクションの概数および概要、閲覧・複写の可否、目録の有無、その他の項目から構成されている。本ディレクトリは、東アジア図書館協議会（ＣＥＡＬ）の日本資料委員会の元に組織された日本古典籍小委員会が、北米を中心とする所蔵機関に呼び掛けて得られた調査結果をもとに編纂されて出発した。現在はさらに広範囲の関連組織の協力を得て、対象を欧州・オセアニア地域の所蔵機関にも拡げ、情報の充実を図っている。

　本ディレクトリの維持・管理は、公開当初は日本古典籍小委員会が行っていた。しかし、ユーザーへの利便性の向上と安定した運営のため、同委員会より本ディレクトリの維持・管理を国文学研究資料館に移管したいとの申し入れがあった。当館もこれを了承し、公開システムに新たな工夫を加え、2011年に当館のウェブサイトから発信した。内容については各参加機関が責任を持つこととし、そのリニューアルについては、同小委員会と当館が共同で収集と改訂に当たることとした。また表記は、現在のところ英文の方が多いが、各参加機関に呼び掛けながら、徐々に日本語の併記も増やして行きたいと考えている。

　日本国外に所在を移した古典籍や古文書、一枚摺り等の諸資料は、その概要が明らかになっているだけでも莫大な数量に上ることが判明しており、中には日本では確認できない貴重な資料も数多く存在する。本ディレクトリは、それらの日本国外に残存する諸資料の概要を正確に伝え、研究者による利用に備えようとするものである。一方で、それらの諸資料については、日本国外の図書館員によって、OCLC World CatやNACSIS-CAT，国文学研究資料館の国書データベースなどのユニオンカタログによる同定作業も進められており、研究環境は一段と進歩しつつある。本ディレクトリの整備がさらに進められれば、近年、とみに盛んになっている日本人研究者による海外資料調査のさらなる促進が期待できることはもちろん、外国人による資料調査が活発化し、日本の古典籍を中心とする前近代の諸資料を巡る学術交流がいっそう深まることも期待できよう。

　〈お知らせ〉新たに３機関（University of Colorado Boulder、Duke University、University of Iowa Libraries）を追加しました。また、12機関についてデータの更新を行いました。

　〈改修情報１〉今回の更新に伴いインターフェースを一部変更しております。(1)「機関一覧」の表示順を国名、機関の順でソートしております。(2)「機関データ」について、英語版はEnglish Pageに移行しました。「機関一覧」の各機関の箇所から、日本語版の機関データがある場合は、機関データの当該機関の箇所に画面遷移し、英語版については、機関名横のEnglish Pageに続き機関名から英語版の該当箇所に遷移できます。日本語版から参照していた英語の機関データ（JSONファイル）は、全て英語版にまとめましたので、JSONファイルを直接引用している方は、リンクの貼り直しをお願いいたします。
　また、当館データベースの統廃合により、本ディレクトリで参照されている日本古典籍総合目録データベース、及びコーニツキー版 欧州所在日本古書総合目録は、国書データベースに統合されましたので、該当箇所について記載情報を更新しております。

　〈改修情報２〉ここに北米の各図書館や文化団体の和書コレクション情報をまとめた「Notable Japanese Collections in North America」のリンク先をお示しします。
https://guides.nccjapan.org/notable_collections　　　　　　　　　　　　　　　
本ディレクトリと併せてご利用ください。