古事類苑>歳時部十三>年始雜載>十五日粥
第 1 巻 925 頁 画像表示

20頁後へ次のページへ   前のページへ20頁前へ
うかがふを、うたれじとよういして、つねにうしろを心づかひしたるけしきもおかしきに、いかにしてけるにかあらん、うちあてたるはいみじうけうありと、うちわらひたるもいとはへばへし、ねたしと思ひたることはり也、こぞよりあたらしうかよふ、むこのきみなどのうちへまいるほどを、こヽろもとなく、ところにつけて、われはとおもひたる女房ののぞき、おくのかたにたヽずまふを、前にゐたる人は心えてわらふを、あなかま〳〵とまねきかくれど、きみ見しらずがほにて、おほどかにてゐたまへり、こヽなる物とり侍らんなどいひより、はしりうちてにぐれば、あるかぎりわらふ、おとこ君もにくからずあいぎやうづきてゑみたる、ことにおどろかず、かほすこしあかみてゐたるもおかし、又かたみにうちて、おとこなどをさへぞうつめる、いかなる心にかあらん、なきはらだち、うちつる人をのろひ、まが〳〵しくいふもおかし、内わたりなどやむごとなきも、けふはみなみだれてかしこまりなし、

〔狹衣  四〕
十五日〈◯正月〉には、わかき人々こヽかしこにむれゐつヽ、をかしげなるかゆづゑ引かくしつヽ、かたみにうかヾひ、又うたれじとよういしたるすまひおもはくどもヽ、おの〳〵をかしう見ゆるを、大將殿は見給ひて、まろをあつまりてうて、さらばぞたれも子はまうけん、誠にしるしある事ならば、いとふ共ねんじてあらんなどの給へば、みな打わらひたるに、いとヾいまはさやうなるあぶれものいでくまじげなる世にこそと、うちさヾめくもありけり、わか宮ぞちひさきかゆづゑを、いとうつくしき御ふところよりひき出て、うち奉り給へば、うちゑみ給ひて、あなうれしや、宮のあまりかたじけなくおぼえ給ふに、わたくしの子まうけつべかりけりと、かひ〴〵しくよろこび申し給ふもをかし、

〔辨内侍日記  上〕
正月〈◯寶治三年〉十五日、月いとおもしろきに、中納言のすけどの、人々さそひて、南殿の月見におはします、月華門より出て、なにとなくあくがれてあそぶ程に、あぶらのこうぢおもて