古事類苑>歳時部十三>年始雜載>舟乘始
第 1 巻 903 頁 画像表示

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〔華實年浪草  一上正月〕
船乘初〈(中略)攝州大坂ノ船乘初ニハ、舟ニ松竹注連ノ飾リヲ立、船靈神ヘ鏡餅神酒等ヲ供シ、水主ヲ揃ヘ、凡ソ一タン許乘出デ漕戻ルト也、其日、船持ノ家家酒肴ヲ調ヘ、合家嘉儀ヲ催シ、年中廻船ノ海上風波ノ難ナキコトヲ神ニ祈リ、自ラモ祝フト也、〉

〔諸國圖會年中行事大成  一正月〕
二日、船乘始、〈◯中略〉大坂邊にては、船に松竹注連を飾り、船靈を祭り、鏡餅、神酒、燈明種々の供物を獻じ、水主揖取等華やかに粧ひ、十段ばかり乘出し漕戻し、其後酒宴をなす、すべて欵乃歌を謠ひ、甚壯觀なり、〈(中略)今日船中に賽二ツを雙べ飾り、二ツ共一を上になし、一天宣平なる義を祝し、下の六は地六の直なるに象り、水上安全を祝ふ故實なりと云、〉

〔改正月令博物筌  正月〕
舟乘初〈(中略)舟乘初に賽を二ツかざりおく故實あり、その並べるや、上へ一を二ツ竝ぶ、一天日和よきやうにと祝してなり、左すれば下へなる方は、六地眞直にして、水上おだやかならんと也、二と二とを合す、中荷多からんと也、向ふへ三をならぶ、さいさきよし、前へ四をならぶ、仕合よしと祝ふ事とかや、〉

〔諸國圖會年中行事大成  一正月〕
二日、角倉船乘始、〈◯中略〉其式、高瀬川筋角倉家の前なる入江に、舟二艘を飾る、一艘は當主舟、一艘は舟歌舟なり、寅の刻、當主及び老臣監舟の士乘船ありて、入江を七度計漕廻る、此時船中に於て祝儀の酒宴あり、又謠及び舟歌を唱ふ、爾して後舟の表に備ふる所の饅頭を舟中へまき、又路上へ撒く、是を得て懷中すれば難船の患なしと、よりて海上往返の商家、競ふてこれを求むる者群をなす、◯按ズルニ、慶長十三年、角倉光好、加茂川ヲ引キテ高瀬川ヲ開ク、後幕府ノ命ニヨリ、世々高瀬川ノ舟ヲ司ル、

〔水戸歳時記〕
正月二日、〈◯中略〉舟ノリ初、湊ニテ舟大將御舟ニノリ出ル、舟中ニテ水手舟歌アリ、

〔御家傳記〕
慶長六年、一豐公〈◯山内一豐始テ土佐ニ封ゼラル〉舊臘大坂御出船、淡州由良にて御越年、正月二日甲浦に御着船、〈◯中略〉同五日彼地御發駕、奈半利に御一宿、〈◯中略〉八日淡道通り浦戸へ御入城、〈◯中略〉或説に、阿州桂泊に御越年、正月八日浦戸に御着、此日を吉例として毎年船の乘初と被成也、

〔御船御乘初記  附録〕
朝比奈右京殿日記に云、延寶八年正月八日、御吉例御船御乘初、〈◯中略〉