古事類苑>歳時部十三>年始雜載>舟乘始
第 1 巻 902 頁 画像表示

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いふものは、商人のいふ直段に買取、手打などして祝ひ、直段を直切るといふことなし、扠商人大門より入て、賣ては大門へ出、また取て返しては大門より入て賣る、下もより大門口へ出る時賣聲なし、買人も上より來るのみ買ふなり、是は古きことなるべし、

〔日次紀事  一正月〕
凡新年俗間、始買葷辛之類并蛤蜊海參、葷辛除疫鬼、蛤蜊取和合之儀、海參其形似米嚢、故祝之曰俵子

〔日次紀事  一正月〕
四日 諸職人各始家業、〈市中今日諸商賣人亦始其事、凡裁補年中所物價之簿册、是謂帖綴而各祝之、倭俗帖謂帳、〉 十一日 帖綴〈諸商今日綴年中買賣之簿書、是稱帖綴、饗酒食互祝之、〉

〔守貞漫稿  二十六〕
正月二日、三都トモ賣人ハ、今曉丑或ハ寅ノ刻ヨリ初賣○○ト唱テ、行人多キ街店ハ品物ヲナラベ、蝋ヲ點シテ賣之、又京坂ハ諸品物ヲ得意ノ家ニ携ヘ行テ賣之、蓋日用ノ品物ノミ也、〈諸品物ヲ中ニシテ、兩人ニテ擔之行ク、其詞曰、ハアヨイ〳〵 ヨヒ〳〵 ト呼行ク、〉又大坂ノ菜蔬買ハ、今曉水菜〈一名壬生菜、又京菜、〉ヲ賣リ巡ルヲ例トス、 江戸ニテハ日用ノ品物ヲ賣ル、小賈ハ專トセズ、大賈ハ傳ヘ賣ル中賈ニ諸賈物ヲ荷車ニ積ミ、僮僕五七人、或ハ十人、紅ノ弓張挑灯等ヲ照シ、車ニ副テ得意ノ店ニ行ヲ例トス、號テ初荷○○〈ハツニ〉ト云、初賣、初荷トモ、天明ヲ限リトスルコト三都同事、〈蓋京坂日用ノ品物初賣、昔ハ二日曉ノミ、一品二人賣來ル時ハ、後來ノ物ヲ買ザル家アリ、故ニ近年ハ或ハ元朝ヨリ賣之者稀ニ有之、又或ハ舊冬ヨリ初賣ノ分ナリト號テ強賣アリ、後世恐ラクハ、皆元日ニ賣之コトニナリ行歟、〉

舟乘始
〔東都歳事記  一正月〕
二日 船乘初

〔日本歳時記  一正月〕
二日 商家にはあきなひ初をし、舟人は船乘初ふねのりぞめをす、

〔増山の井〕
きそはじめ、〈俳〉きぬきそむるいはひ也、三ケ日のうち吉日を撰びてする也、ある説には、競始キソヒハジメとて、舟どもかざりてのりそめ侍る事ともいへり、

〔諸國圖會年中行事大成  一正月〕
二日、船乘始、江戸大坂諸國浦々湊にあり、〈◯中略〉諸侯方倉屋敷等に行るヽは、別して華麗なり、