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採録方針

 本データベースは、広く “印” によって旧蔵者の姿なり伝来の有り様なりを浮かび上がらせることを目的とする。従って、いわゆる蔵書印 (コレクターが自らの蔵書に捺してその所有を示す印影) のみならず、仕入印や貸本屋印を含む書肆印、蔵書票・書肆票の類、また、写本等で作成に関わった人物の印記や書画等の落款印についても、可能な限り採録した。典籍の流通・来歴・出所・伝来を少しでも知る縁となれば幸いである。

 採録の手順は、原本調査の場合(国文学研究資料館蔵本、大阪大学附属図書館蔵本、等)は、表紙から見返し・前付け・本文・後付け・後ろ見返し・後ろ表紙まで資料全体にわたって印影の有無を調べ、web公開の画像データベースによる場合(早稲田大学図書館蔵本、京都大学附属図書館谷村文庫、等)は、画像全コマをページ送りしながら印影の有無を確認することにより行っている。冊子体目録や図録からの採録においては、全文画像が閲覧可能な場合(東京大学附属図書館霞亭文庫、立教大学図書館江戸川乱歩旧蔵資料、等)に限り、全コマを再確認して印文情報の訂正・追加と印影の採取を行った。

蔵書印文について

1.原則、資料に捺された1印影を1レコードとしてデータを作成した。ただし、姓名や号を2顆に分ける等の対印、併捺されることの多い両面印、印材の中間を凹ませ文字の間を離した下駄印については、印文をスペースで区切り1レコードの連珠印として採取した。
  例:「大神 敬重」 蔵書印DBへ
  例:「湖月亭蔵書 集稚之印」 蔵書印DBへ
  例:「適印 香村」 蔵書印DBへ
 例外的に、2文字の下駄印などで、印文をスペースで区切らずに記したものもある。
  例:「三馬」 蔵書印DBへ

2.印影が文字でなく、絵のみでデザインされている場合は、[ ] 内にその意匠を示した。
  例:「[蛙]」 蔵書印DBへ
  文字と絵の両方からなる印影は、原則、文字のみ採り、絵に関する情報は【形状】に示すこととする。例外的に、文字と絵の組み合わせで意味をなす場合は、両方を印文として記述した。
  例:「[かまわ]ぬ」 蔵書印DBへ
  八卦印は、以下のように記し、適宜【蔵書印文別表記】に別記した。
  例:「乾坤体天主人」 蔵書印DBへ  : 「[八卦]乾/体天主人/[八卦]坤」
  例:「乾坤[一草亭]」 蔵書印DBへ : 「[八卦]乾坤」

3.記号や絵と文字の組合せからなる紋章(家印、屋号・家号・亭号等)を含む印影については、その部分を [ ] で括り、記号 ^ ┓ ○ △ □ ◇ ∴ 等は、各々 「ヤマ」 「カネ」 「マル」 「ウロコ」 「カク」 「ヒシ」 「ミツボシ」 と片仮名表記した。なお、書肆印に多く見られる、家名に添えられた角書き部分(家印等含む)や、左右に分かち書きされた地名等は、意味上のつながりを優先して釈読し、適宜【蔵書印文別表記】に別記した。
  例:「[カネワ]豊後原浦米和」 蔵書印DBへ  
  例:「[カサマルイチ]仙台立町長岡屋」 蔵書印DBへ : 「[カサマル一]仙臺立町長岡屋」
  例:「羽州[イリヤマハン]大泉湯温海帯半」 蔵書印DBへ
               : 「羽州[イリヤマ半]大泉湯温海帯半」
  例:「書林[マルダイ]尾州名古屋長島町五丁目大野屋惣八」 蔵書印DBへ
               : 「書林[マル大]尾州名古屋長島町五丁目大野屋惣八」
  例:「[イチウロコ]新橋山城町津国屋」 蔵書印DBへ : 「[一ウロコ]新橋山城町津國屋」
  例:「[ヤマミツボシイチ]甲陽藤井渡武」 蔵書印DBへ :「[ヤマ三つ星一]甲陽藤井渡武」
   

4.見せ消ち、擦り消ち、墨消ち、除籍印などによって消された印影は、抹消の対象となる印文が判明する場合はそのまま記載し、適宜【備考】に注記した。
  上から重ねて捺印することで前の所蔵者の蔵書印を消している場合も、判読できる限りにおいて各々別のレコードとして採取した。

5.印文を 右上→右下→左上→左下 の一般的な順で読まないもの(回文印・逆読印等)については、【備考】に「印刻順は……」などと注記した。なお、【印文改行表記】では、改行箇所に / を付し、右から左へ記述することを原則とする。【印文改行表記】については、「蔵書印影「印文行数」「印影外郭」採取凡例」参照。
  例:「望月茂印」 蔵書印DBへ : 「望印/月茂」

6.資料目録等から採録したデータのうち、印文の記載はないが旧蔵者が記されている場合、【蔵書印文】フィールドに「(○○旧蔵)」というデータを仮に入力した。

7.【所蔵先】や【典拠資料】に示した現在の所蔵者や元の文庫主については、その所用印を採録対象から除外した。ただし、既刊の蔵書印譜等に掲出がみられない印や、典籍ごとの押捺の有無や捺し分けが顕著に表れていると判断される場合には、採録したものもある。

8.原則、旧字は新字に統一し、【蔵書印文別表記】に旧字表記を示した(頻出する文字「藏」「齋」に限り【蔵書印文別表記】での別記を省略)。なお、印文で「仌」(「氷」の異体字)や「杦」(「杉」の異体字)など、一般的でないと判断されるものに関してはそのままとし、新字表記を【蔵書印文別表記】に記した。

9.表記できない文字は、仮に 〓 を入れ【備考】に偏旁を示した。

10.判読不可能の印文については、文字数がわかる場合はその文字数分の □ を入れた。文字数不明の場合は ■ とした。

蔵書印影について

1.印影の【陰陽】で、印文が白文・朱文両様のものを 陰陽混在 とする。ただし、印文が白文すなわち陰刻で、模様等の意匠が陽刻になっている(あるいはその逆)といった場合は、混在とは呼ばないこととする。
  例:「誦習庵」(陰刻) 蔵書印DBへ     「梅樹」(陽刻) 蔵書印DBへ

2.印影の【サイズ】で、実測したサイズが2.3×2.2など厳密には 長方形 であっても、1~2ミリ程度の範囲内であれば一見した判断を優先し、正方形 としたものが少なくない。本データベースの検索の利便性を考慮してのことである。

3.印影の【形状】で、長方形 と 楕円形 の区分がつきにくいものに関しては、以下のように類別した。
  長辺・短辺ともに直線で四隅が丸みを帯びた印は単に 長方形 とした。一辺のみ丸みを帯びたり一辺あるいは全体が歪んだりしたものを 変形長方形 とし、長辺(短辺)は直線だが短辺(長辺)が二辺ともに丸みを帯びたものを 角丸長方形 とした。なお、楕円(円)の一部が欠けたり歪んだりした印は 変形楕円形(変形円形) とした。
  例:変形長方形            角丸長方形          変形楕円形
           

その他

1.見返しあるいは見返し内側に捺された印影については、当該資料が合綴・合冊本で書名を個別に採っている場合に限り、表紙裏の見返しの場合は1点目の資料の捺印としてデータを採り、後ろ見返しの場合は最終資料の捺印とした。

2.【人物情報】で無印のものは当館にて作成したデータである。◆ を文頭に付したものは中野三敏編『近代蔵書印譜』初編~五編(青裳堂書店)、◇ は私立PDD図書館(獨澄旻)の「人名辞典」データを、各々利用させていただいたことを表している。それ以外の引用は全て △ に続けて記し、文末に出典注記を行った。引用元での明らかな誤植・誤記等を訂したり、情報を追記する場合に限り、※ に続けて記した。



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