【出羽国山形宝幢寺文書】
識別記号 ac1959001
資料記号 34A 43A
標題 出羽国山形宝幢寺文書
年代 1497年~1938年
主年代 江戸
年代注記 1497(明応6)年-1938(昭和13)年
記述レベル fonds
書架延長/数量 32m/9962点
物的状態注記 9962点及び乗籠、長柄傘、挟箱;書架延長は32m(乗籠などを除く);数量の内訳(『史料館所蔵史料目録』第9集及び第16集による)%3122冊、5633通、264 綴、590枚、115 舗、20袋、2括、その他216。ほかに図面など2箱(幅1m×2)%
出所・作成 佐伯家
履歴 この文書群は佐伯家を出所とするが、大部分は佐伯菅雄が復飾前に住職であった新義真言宗摩訶迦羅山(大黒山)宝珠院宝幢寺のものである。宝幢寺は、731(天平3)年に行基により創立されたと伝えられているが、1356(延文元)年、斯波兼頼(最上氏の祖)によって、醍醐山より大僧都道助が招請され、寺宇を山形に移して中興し鎮護国家の祈願所とした。以後、宝幢寺は最上氏の保護を受け、出羽国領内真言一宗の惣録寺の地位を与えられた。また、天童山頂愛宕権現社の別当寺ともなった。 最上氏改易後も寺領は幕府によって安堵され、歴代山形藩主の保護を受け、領内寺院筆頭の地位にあった。近世には新義真言宗寺院として、京都智積院・大和長谷寺小池坊両本山の支配下に属し、かつ東寺山城醍醐光台院の直末寺として位置し、また村山郡など32か寺の末寺・門徒を擁し、天童・中野・山形を中心に朱印地1370石と山林を支配し、寺内・末寺・愛宕社と宝幢寺門前などの僧侶・修験・百姓を従属せしめていた。同寺の地位は、朱印地をもつ朱印寺、学僧を交衆させて夏・冬の報恩講を常時開催する常法談林所、将軍年礼を許される独礼寺格であり、醍醐三宝院門主院家勝倶胝院永兼帯の令旨を受け、田舎本寺として高い寺格を有していた。 しかし、後年、山形藩主の保護が薄らぎ山論や後住紛争が起こり財政も窮乏し、明治維新後の上知令と神仏分離令のなか、住職浄珊は復飾し愛宕神社の祠掌となるにおよんで、同寺は廃絶した。浄珊は佐伯菅雄となり県社八幡社の祠官を兼ね神職触頭となった。さらに大教宣布運動のなかで、県内教導職の取締を命じられ、権中教正・神道事務本局幹事・県下分局長を歴任した。したがって宝幢寺文書は・近世寺院史料として同寺のみならず、維新後の神社史料、また佐伯家の家政史料を含むものとなっている。
(関係地)出羽国村山郡山形地蔵町‐山形県南村山郡山形‐山形県山形市東原町[現在]
(主題)僧侶|神道教導職取締|祠掌|神道事務分局長
(役職等)僧侶|神道教導職取締|祠掌|神道事務分局長
伝来 1959年度・1968年度に原蔵者より譲渡。
入手源 原蔵者
範囲と内容 宝幢寺文書は、近世寺院史料として比較的まとまったもので、寺院由緒、縁起、寺僧、仏寺関係、山形城主との関係、朱印地の支配と収納、寺院経営関係のほか、廃寺後の教導職、神社・神道関係史料を含みさらに佐伯家の家政史料に及んでいる。 (1)宝幢寺に関する文書のうち、a,寺家・寺僧関係では「佐伯家譜・宝幢寺興廃録」「山形宝幢寺永代之覚」「宝幢寺縁起」など、由緒、縁起、寺格、住職、本末にかかるもの、門末住職、衆徒・社人などにかかる伝法灌頂印信類、b,祈祷願文などの仏事・祭礼の文書がある。C,寺領支配関係では、寺法、議定書、寺領の宗門人別改、寺領役人、百姓支配、紅花などの諸産業、さらには治安、土地にかかるものとしては、朱印状、検地帳、高書上、境内地の取調書、田畑質地証文、譲渡証文、山論などの訴訟文書、貢租徴収文書、寺入用、普請、日記、貸借関係文書などがあり、d,災害・救恤関係、e,廃寺以前の神社関係、f,書状、g,絵図、h,書籍・書画がこれに含まれる。 (2)神仏分離、廃寺後の神道家としての佐伯家及びその公的社会的活動に関するもののうち、a,神社・神道関係では家譜・履歴、神道伝授、愛宕神社等の祠官、神道触頭、神道事務局文書及び神拝式などの神事にかかるもの、b,政治・社会関係では学区取締にかかるもの、懐旧同盟など、日清・日露戦争の献納・支援活動文書がある。 (3)佐伯家家政・その他に関するもののうち、a,家政関係では国有林野下戻・引戻申請にかかる訴訟文書などの地所、家屋、家計、租税、貸借に関するもの、日東捕鯨会社への投資など事業、投資に関するもの、その他b,書状、c,学芸、d,絵図などがある。 なお、本史料との関係が深い他の当館史料には、「出羽国村山郡小関村文書」(23Z4 41Q)、「出羽国村山郡山家村山口家文書」(28D)がある。
評価選別等スケジュール
追加受入情報
整理方法
利用条件 590利用上の留意点 EAD-XML検索システムでの検索も可能ですが、閲覧を希望する場合は事前に情報サービス第2係(歴史資料担当)へお問い合わせ下さい。
使用条件
使用言語 Japanese
物的特徴及び技術要件
検索手段 『史料館所蔵史料目録』第9・16集(1962・1970年)
原本の所在
利用可能な代替方式 一部、天童市史編さん室で関係分マイクロフィルム撮影ずみ(昭和52―52)。
関連資料
出版物 山形市史編集委員会編『山形市史編集資料』第15号・第28号(1969年・72年)、山形市史編集委員会ほか編『山形市史』史料編1(1973年)、東根市史編集委員会編『東根市史編集資料』第11号「宝幢寺文書」(1982年)、天童市史編さん委員会編『天童市史編集資料』第34号「宝幢寺領関係資料」(1984年)
注記 関連記事『史料館報』7号(1974年)、11号(1979年)大野瑞男「宝幢寺文書の収集と整理」
収蔵名称 国文学研究資料館(歴史資料)

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