史料群概要

【出羽国秋田郡南比内大葛金山荒谷家文書】
識別記号	ac1950002
資料記号	25B 44F
標題	出羽国秋田郡南比内大葛金山荒谷家文書
年代	1708年～1923年
主年代	江戸後
年代注記	1708（宝永5）年-1923（大正12）年、主として1779（安永8）年-1907（明治40）年。
記述レベル	fonds
書架延長／数量	8m／2666点
物的状態注記	2666点；数量の内訳（『史料館所蔵史料目録』第18集による）（別表参照）
出所・作成	荒谷家
履歴	出羽国秋田郡南比内大葛金山支配人、南比内二井田村の村役人を勤めた荒谷家は、代々横目役（国境守護役）に任じていたが、７代忠右衛門富〓（「日」の下に「高」）のとき大葛金山の手代となり、1761（宝暦11）年に帯刀を許され金山経営を任された。７代忠右衛門は、1764（明和元）年、金方世話役・横目役を命ぜられ、次いで1779（安永８）年大葛金山を受山とした。大葛金山のほかにも院内銀山の稼行を命じられ、久保田（秋田）藩の11の鉱山の稼人となった。13代桂吉のとき、1870（明治３）年、大葛金山支配人を免ぜられた。　その後、荒谷桂吉は、和漢の学を学ぶかたわら引続き他の鉱山の試掘、経営への投資を行い、山林や畜産などの諸事業をてがけた。一方、政界にも進出、秋田県会議長・衆議院議員を勤めている。（関係地）出羽国秋田郡南比内大葛村‐秋田県北秋田郡大葛村‐比内町大字大葛金山［現在］（主題）金山稼人（支配人）｜金方世話役｜横目｜県会議長｜衆議院議員（役職等）金山稼人（支配人）｜金方世話役｜横目｜県会議長｜衆議院議員
伝来	1950年、原蔵者から最初の譲渡を受け、1969年、残余の分の寄贈を受けた。そのほか、1963年、「鉱山紀年録」のうち、第２・４巻（２冊）を古書店から購入。
入手源	原蔵者・古書店
範囲と内容	本文書群は、主として荒谷家が鉱山経営に関わり始めた1779（安永8）年以降のものと、家政ないしは金山支配人を免じられた1870（明治3）年以降の経済・政治活動に関わるものである。鉱山関係では大葛金山以外の経営にも進出していることから、久保田藩の鉱山経営史料として幅広い性格を持っている。ただし、史料館収集以前に散逸が進んでいたとみられ、とくに鉱山経営帳簿類は完備していない。『史料館所蔵史料目録』第18集では「領主」など11項目を掲げているが、大別すると、鉱山関係、家政関係、その他書状、学芸関係などである。　まず、（1）鉱山関係では、ａ，幕府法・藩法の写、ｂ，鉱山の概要・支配を示す「政景日記抜書」「鉱山紀年録」「山法定書」「院内銀山御条目」、沿革・由緒書など、ｃ，鉱山経営にかかる鉱山請負文書など、ｄ，採掘・精練技術にかかる「任筆雑集礦事録」、普請方勘定控、吹方仕法など、ｅ，経理にかかる運上金・御用銭受取手形、勘定帳など、ｆ，絵図としては鉱山・山沢絵図などがある。（2）家政関係では、ａ，土地にかかる所持地の検地帳（二井田村ほか）、ｂ，山林にかかる境目論写、ｃ，貢租にかかる「石代取極帳」、ｄ，産業にかかる馬産、牧牛、博覧会出品目録など、ｅ，県会議員・衆議院議員にかかるもの、ｆ，家譜・証文・通などの家計にかかるものである。（3）その他では、ａ，書状、ｂ，詩文などの学芸、ｃ，統計書などがある。　なお、荒谷家文書の目録は、当館の『史料館所蔵史料目録』第18集のほか、秋田県立図書館編『秋田県歴史資料目録』第21集（1989年）に収録されている。また荒谷家と姻戚関係にある「出羽国秋田郡南比内二井田村一関家文書」（24M 25D）や院内銀山詰合であった当館所蔵「出羽国久保田小貫家文書」（25C）は関連が深い。
評価選別等スケジュール
追加受入情報
整理方法
利用条件
使用条件
使用言語	Japanese
物的特徴及び技術要件
検索手段	『史料館所蔵史料目録』第18集（1971年）
原本の所在
利用可能な代替方式	住友史料館（京都府）が史料番号１−269まで複製を行っている（昭和62−94ほか）。
関連資料
出版物	比内町教育委員会町史資料編さん室編『比内町史　資料編』第１集（同町、1987年）、比内町史編纂室編、浪川健治校註『近世大葛金山関係史料』（比内町教育委員会、1986年）。
注記	関係記事『史料館報』第11、14号に掲載。　史料目録第18集解題ｐ53及び総覧の「伝来」に鉱山紀年録（史料番号149）のうち二・四の２冊は昭和38年度に古書店より購入とあり、この分が38Ａである。しかし、すでにラベルは25Ｂにあわせて貼付してあり38Ａの表示はなくなっている。よって総覧の記事から「38Ａ」を削除することにする。
収蔵名称	国文学研究資料館（歴史資料）