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16巻 落噺笑富林

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傍記なし

(口ウ・一オ)
つて、取次をたのミ候所、今日規式の御料理、なにがよか
ろと相談さいちう、ぼんごめ・ぼんまめ・ぼんごぼう、つ
ミたで・つミまめ・つミさんせう、京の生鱈・なうなま・
まなかつを、煮ても(一ウ下)焼ても喰れぬものハ、ごとく
鉄きう・かなくまどうじ、中にもとうじのらせうもんハ、
茨木童子がうでぐり五合つかんでおむしやるかの頼光の、
ひざもと(二オ下)去ず、ふな・きんかん・しいたけ・さ
だみつ、ごだんハそばきり・そうめん・うどんなんどが
よろしからんと、献立さいちうゆへ、私すぐに申上ます。
殿 ホヽヲ、できた+。その早口のほうびとして、田一
反に茶一斤、田二反に茶二斤、田三反に茶三斤、田四反に
茶四斤、田五反に茶五斤、田六反に茶六斤、田七反に茶七
斤、田八反に茶八斤、田九反に茶九斤、田十反に茶十斤と
らするぞ△豆 ハツア、ありがたい仕合ト@さつそく宿へ|立かへれば、@女房
御かぞうのやうすを承ハりました。おめでたう存ます。
此歓びついでに、ねだりたいものがござりますが△豆 な
んなりといふたり+△女 ほしひものハ、繻子緋じゆす
・すゞしゆちんの帯に、こんぎやくざおりの黒小袖、菊桐
きくきり三菊桐、合せてきくきり六菊桐の紋を付て、拵て
下さりませ△ やすい事+。拵てやらうハさ△むすこ
傍記あり

(口ウ・一オ)
つて、/取次(とりつき)をたのミ候所、/今日(こんにち)規式の御/料理(りやうり)、なにがよか
ろと相/談(だん)さいちう、ぼんごめ・ぼんまめ・ぼんごぼう、つ
ミたで・つミまめ・つミさんせう、/京(きやう)の/生鱈(なまだら)・なうな/ま((きカ))・
まなかつを、煮ても(一ウ下)/焼(やい)ても/喰(くハ)れぬものハ、ごとく
/鉄(てつ)きう・かなくまどうじ、中にもとうじのらせうもんハ、
/茨木童子(いばらきどうじ)がうでぐり/五合(こんがふ)つかんでおむしやるかの/頼光(らいくわう)の、
ひざもと(二オ下)/去(さら)ず、ふな・きんかん・しいたけ・さ
だみつ、ごだんハそばきり・そうめん・うどんなんどが
よろしからんと、/献立(こんだて)さいちうゆへ、/私(わたくし)すぐに申上ます。
殿 ホヽヲ、できた+。その/早口(はやくち)のほうびとして、/田(た)一
/反(たん)に/茶(ちや)一/斤(きん)、/田(た)二/反(たん)に/茶(ちや)二/斤(きん)、/田(た)三/反(たん)に/茶(ちや)三/斤(きん)、/田(た)四/反(たん)に
/茶(ちや)四/斤(きん)、/田(た)五/反(たん)に/茶(ちや)五/斤(きん)、/田(た)六/反(たん)に/茶(ちや)六/斤(きん)、/田(た)七/反(たん)に/茶(ちや)七
/斤(きん)、/田(た)八/反(たん)に/茶(ちや)八/斤(きん)、/田(た)九/反(たん)に/茶(ちや)九/斤(きん)、/田(た)十/反(たん)に/茶(ちや)十/斤(きん)と
らするぞ△豆 ハツア、ありがたい/仕合(しあハせ)ト@さつそく/宿(やど)へ|立かへれば、@女房
御かぞうのやうすを/承(うけたま)ハりました。おめでたう/存(ぞんじ)ます。
此/歓(よろこ)びついでに、ねだりたいものがござりますが△豆 な
んなりといふたり+△女 ほしひものハ、/繻子(しゆす)/緋(ひ)じゆす
・すゞしゆちんの/帯(おひ)に、こんぎやくざおりの/黒小袖(くろこそで)、/菊桐(きくきり)
きくきり/三菊桐(さんきくきり)、/合(あハ)せてきくきり/六菊桐(むきくきり)の/紋(もん)を付て、/拵(こしらへ)て
下さりませ△ やすい事+。/拵(こしらへ)てやらうハさ△むすこ