( ウ・口オ) △△△七重八重花ハさけども山吹の △△△△実の一ツだになきぞかなしき 此哥をきいて、なんでも夕立が降て来て、雨具を借せとい ふものがあつたら、哥を読+といふうち、大夕立ふりき たり、友だちがかけこミ、傘でもきるものでも、雨具をか してくれろといふゆゑ、八百屋の亭主、白瓜と丸漬と茄子 をならべて、哥に、 丸づけやなすび白瓜ある中に△今 一ツだになきぞかなしき△友 この中に胡瓜がねへの 亭 ハイ。胡瓜ハござりませぬ(一オ) ○御加増 西の国にて百万貫御取あそばす御方、殊の外いひにくき事 を好給ひ、御家来に早口豆右衛門といふもの、御意に入ツ て、何事も此ものなくてハならぬやう也。初春の事なりし が、豆右衛門御前へ出、豆 たゞ今御玄関へ(一ウ上)しよ しや山ンのしや僧正、こうやの山のおこけらこぞう、年頭 の賀儀にまかり出ましたゆへ、とるものもとりあへず、小 米のなまがミ、ここん小ごめのなまがみ、親も嘉兵衛子も 嘉兵衛、親嘉兵へ、子嘉兵へ、子かへ(二オ上)おやかへをも
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